胆石症とは
胆石症とは、胆のうや胆管の中に「胆石」と呼ばれる石ができる病気です。
胆石は、胆汁に含まれるコレステロールや色素成分が固まってできることが多く、日本では加齢とともに増加する身近な病気の一つです。成人では約10~20%の方に胆石があるとされ、高齢になるほど頻度が高くなります。
胆石があっても症状がない方(無症候性胆石)は約70~80%を占め、多くは健康診断や腹部超音波検査(腹部エコー)、CT検査などで偶然発見されます。このような場合は、すぐに治療が必要となることは少なく、定期的な経過観察を行うことが一般的です。
一方で、胆石が胆のうの出口や胆管に詰まると、突然の強い腹痛(胆石発作)や胆のう炎、胆管炎、急性膵炎などを起こすことがあります。
症状がある場合や合併症を起こした場合には、薬物療法や手術、内視鏡治療などを行います。
主な症状
以下のような症状がみられることがあります。
- 右上腹部の痛み
- みぞおちの痛み
- 食後の腹痛
- 背中や右肩への痛み
- 吐き気
- 嘔吐
- 発熱
- 黄疸
- 白っぽい便
- 褐色の尿
胆石発作では、脂っこい食事を食べた後などに突然強い痛みが出現し、30分から数時間続くことがあります。
胆管に胆石が詰まると、発熱や黄疸を伴う胆管炎を起こすことがあり、早急な治療が必要です。
なお、無症候性胆石では症状が全くないことがほとんどです。
原因
胆石症の原因にはさまざまな要因が関係しています。
主な危険因子
- 加齢
- 女性
- 肥満
- 急激なダイエット
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 妊娠
- 家族歴
- 肝硬変
- 溶血性疾患
胆石には、
- コレステロール胆石
- 色素胆石
- 混合胆石
などがあり、日本ではコレステロール胆石が最も多くみられます。
放置するとどうなる?
症状のない胆石は、必ずしも治療が必要ではありません。
しかし、胆石が胆のうや胆管に詰まると、
- 胆石発作
- 急性胆のう炎
- 総胆管結石
- 急性胆管炎
- 急性膵炎
などを起こすことがあります。
急性胆管炎や急性膵炎は重症化すると命に関わることもあるため、迅速な治療が必要です。
また、長期間にわたり胆石が存在することで、まれではありますが胆のうがんとの関連が指摘されることがあります。
検査について
腹部超音波検査(腹部エコー)
胆石症の診断で最も重要な検査です。
腹部エコーでは、
- 胆石の有無
- 胆石の大きさ
- 胆のう壁の厚さ
- 胆のう炎の有無
- 胆管の拡張
などを確認します。
痛みがなく、身体への負担が少ない検査であり、多くの胆石は腹部エコーで診断できます。
血液検査
以下の項目などを確認します。
- 炎症反応
- 白血球数
- 肝機能
- 胆道系酵素
- 黄疸の程度
- 膵酵素
胆管炎や膵炎を合併している場合には、これらの値が上昇することがあります。
CT検査
CT検査では、
- 胆石
- 胆のう炎
- 胆管の拡張
- 周囲への炎症
- 他の腹痛の原因
などを確認します。
腹部エコーだけでは分かりにくい場合や、重症度の評価にも役立ちます。
MRI検査(MRCP)
胆管結石が疑われる場合には、MRIを用いたMRCP(MR胆管膵管撮影)を行うことがあります。
胆管の中に胆石がないかを詳しく調べることができます。
治療方法
症状の有無や胆石の場所、合併症の有無によって治療法を選択します。
無症候性胆石
症状がない場合は、基本的に経過観察となることが多くあります。
ただし、
- 胆のうが著しく石で満たされている
- 胆のう壁の異常を伴う
- 胆のうポリープを合併している
- 胆のうがんのリスクが高いと考えられる
などでは、手術を検討することがあります。
薬物療法
一部のコレステロール胆石では、胆石を溶かす薬(ウルソデオキシコール酸)が使用されることがあります。
ただし、適応となる患者さんは限られており、すべての胆石に有効ではありません。
手術
症状のある胆石症では、腹腔鏡下胆のう摘出術が標準的な治療です。
腹腔鏡手術では、小さな傷で胆のうを摘出できるため、身体への負担が比較的少なく、多くの施設で行われています。
内視鏡治療
胆管結石では、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を行い、胆管内の胆石を取り除くことがあります。
胆管炎を伴う場合には、早期に胆汁の流れを改善することが重要です。
予防について
胆石を完全に予防する方法はありませんが、
- 肥満を予防する
- 急激なダイエットを避ける
- バランスのよい食事を心掛ける
- 適度な運動を行う
- 糖尿病や脂質異常症を適切に治療する
ことが胆石の予防につながると考えられています。
受診の目安
以下のような症状がある場合は、消化器内科への受診をおすすめします。
- 食後に右上腹部が痛む
- みぞおちの痛みを繰り返す
- 健康診断で胆石を指摘された
- 吐き気や嘔吐を伴う腹痛がある
以下の症状がある場合には、早急な受診が必要です。
- 強い腹痛が続く
- 発熱を伴う腹痛
- 黄疸がある
- 意識がぼんやりする
- 血圧が低下している
よくある質問(FAQ)
Q1. 胆石があれば必ず手術が必要ですか?
A. いいえ。症状のない無症候性胆石では、多くの場合は経過観察となります。症状がある場合や胆のう炎などを起こした場合には、手術を検討します。
Q2. 胆石は自然になくなりますか?
A. 胆石が自然に消失することはほとんどありません。一部のコレステロール胆石では薬が有効な場合がありますが、適応は限られています。
Q3. 胆石は腹部エコーで分かりますか?
A. はい。腹部超音波検査は胆石症の診断に最も優れた検査であり、多くの胆石を見つけることができます。
Q4. 胆のうを取っても生活できますか?
A. はい。胆のうを摘出しても、多くの方は通常どおり生活できます。一時的に便が軟らかくなることがありますが、時間とともに改善することがほとんどです。
Q5. 胆石があると食事制限は必要ですか?
A. 症状がある場合には脂肪分の多い食事で痛みが出ることがあります。暴飲暴食を避け、バランスのよい食生活を心掛けることが大切です。
消化器専門医からひとこと
胆石症は非常に多い病気であり、健康診断の腹部エコーで偶然見つかることも少なくありません。胆石があっても約70~80%の方は症状がなく、すぐに治療が必要となるわけではありません。
一方で、胆石による腹痛や胆のう炎、胆管炎、急性膵炎を起こした場合には、適切な治療が必要です。特に発熱や黄疸を伴う腹痛は、緊急性の高い病気が隠れていることもあります。
右上腹部の痛みや食後の腹痛を繰り返す方、健康診断で胆石を指摘された方は、一度消化器内科で詳しい検査を受けることをおすすめします。
関連ページ
- 腹部超音波検査(腹部エコー)
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- 総胆管結石
- 急性膵炎
- 黄疸
- 胆のうポリープ
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本ページは、大分市に開業予定の消化器内科・内視鏡専門クリニックの開業準備サイト内の疾患解説ページです。現在は開業準備段階であり、診療は行っておりません。
※本ページは一般的な医療情報の提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療に代わるものではありません。腹痛や発熱、黄疸などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
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