膵臓がんとは
膵臓がんは、膵臓にできる悪性腫瘍です。
膵臓は胃の後ろ側にある臓器で、消化酵素を分泌する働きと、インスリンなど血糖値を調節するホルモンを分泌する働きを担っています。
膵臓がんは初期にはほとんど症状がなく、発見が難しいがんとして知られています。そのため、診断された時点で進行していることも少なくありません。
近年、日本では膵臓がんによる死亡数は増加傾向にあり、早期発見が重要な病気の一つです。
主な症状
初期の膵臓がんでは、自覚症状がないことも少なくありません。
進行すると、次のような症状がみられることがあります。
- みぞおちや背中の痛み
- 食欲低下
- 体重減少
- 全身のだるさ
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 尿の色が濃くなる
- 白っぽい便
- 吐き気
- 下痢や脂肪便
- 糖尿病の悪化や新たな発症
膵頭部にできた膵臓がんでは、胆管が詰まることで黄疸が現れることがあります。
また、急に糖尿病を発症した方や、これまで安定していた糖尿病が急に悪化した方では、膵臓がんが見つかることがあります。
膵臓がんの危険因子
膵臓がんの原因は一つではなく、さまざまな要因が関係しています。
主な危険因子
- 喫煙
- 糖尿病
- 慢性膵炎
- 肥満
- 過度の飲酒
- 膵のう胞(IPMNなど)
- 膵臓がんの家族歴
- 遺伝性疾患
- 高齢
特に喫煙は、膵臓がんの重要な危険因子として知られています。
また、IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)などの膵のう胞を指摘されている方では、定期的な経過観察が重要です。
放置するとどうなる?
膵臓がんは進行すると、周囲の血管や神経へ広がったり、他の臓器へ転移したりします。
次のような状態になることがあります。
- 黄疸
- 強い腹痛や背部痛
- 食事が取れなくなる
- 体重減少
- 肝転移
- 腹膜播種
- 肺転移
- 腹水
- 腸閉塞
早期発見できれば手術が可能な場合がありますが、進行すると手術が難しくなることがあります。
膵臓がんの検査
血液検査
血液検査では、主に次の項目を確認します。
- 肝機能
- 胆道系酵素
- ビリルビン
- 膵酵素
- 血糖値
- 腫瘍マーカー(CA19-9、CEAなど)
腫瘍マーカーだけでは早期の膵臓がんを診断することはできません。
正常値でも膵臓がんを否定できず、高値だから必ず膵臓がんというわけでもありません。
腹部超音波検査(腹部エコー)
腹部エコーでは、
- 膵臓の腫瘍
- 膵管拡張
- 胆管拡張
- 肝転移
- 胆石
などを確認します。
膵臓は胃や腸のガスの影響を受けやすく、すべての膵臓を十分に観察できないことがあります。
CT検査
膵臓がんが疑われる場合に最も重要な検査の一つです。
CTでは、
- 腫瘍の大きさ
- 血管への広がり
- リンパ節転移
- 肝転移
- 肺転移
- 腹膜播種
などを評価します。
MRI・MRCP
MRIでは膵臓や胆管・膵管を詳しく観察できます。
膵のう胞や胆管閉塞の評価にも役立ちます。
超音波内視鏡(EUS)
胃や十二指腸から膵臓を近い距離で観察する検査です。
数mm程度の小さな病変も発見できることがあり、膵臓がんが疑われる場合には非常に重要な検査です。
必要に応じてEUS-FNA(組織を採取する検査)を行い、確定診断します。
膵臓がんの治療
病気の進行度に応じて治療方法を選択します。
手術
早期に発見できた場合は、根治を目指して手術を行います。
膵頭部がんでは膵頭十二指腸切除術、膵体尾部がんでは膵体尾部切除術が行われます。
抗がん剤治療
切除が難しい場合や再発した場合には、抗がん剤治療を行います。
近年は新しい抗がん剤の登場により、治療成績は改善してきています。
放射線治療
病状によっては、抗がん剤と組み合わせて放射線治療を行うことがあります。
黄疸に対する治療
胆管が詰まって黄疸が出ている場合には、ERCPを行い胆管にステントを留置して胆汁の流れを改善します。
膵臓がんを早く見つけるために
膵臓がんは症状が出てからでは進行していることが少なくありません。
次のような方では、膵臓の精密検査を検討することがあります。
- 膵臓がんの家族歴がある
- IPMNなど膵のう胞を指摘されている
- 慢性膵炎がある
- 糖尿病が急に悪化した
- 原因不明の体重減少がある
- 黄疸がある
腹部エコーだけでは十分に評価できないこともあり、必要に応じてCTやMRI、超音波内視鏡(EUS)などを組み合わせて診断します。
受診の目安
次のような症状がある場合は、消化器内科への受診をおすすめします。
- 背中まで広がる腹痛がある
- 食欲が低下している
- 体重が減ってきた
- 黄疸がある
- 尿の色が濃い
- 白っぽい便が出る
- 糖尿病が急に悪化した
- 健康診断で膵管拡張や膵のう胞を指摘された
よくある質問(FAQ)
膵臓がんは初期症状がありますか?
初期には症状がないことが多くあります。
そのため、健康診断や他の病気の検査で偶然見つかることもあります。
腹部エコーで膵臓がんは分かりますか?
膵臓を観察できますが、胃や腸のガスの影響で見えにくいことがあります。
必要に応じてCTやMRI、超音波内視鏡などを組み合わせます。
腫瘍マーカーだけで診断できますか?
できません。
腫瘍マーカーは診断の補助として用いますが、それだけで膵臓がんを診断したり否定したりすることはできません。
膵のう胞があると膵臓がんになりますか?
すべてが膵臓がんになるわけではありません。
ただし、IPMNなど一部の膵のう胞では膵臓がんのリスクが高くなるため、定期的な経過観察が重要です。
膵臓がんは治りますか?
早期に発見され、手術が可能であれば治癒が期待できることがあります。
しかし、進行してから見つかることが多いため、早期発見が重要です。
消化器専門医からひとこと
膵臓がんは、初期には症状が少なく、発見が難しい病気です。
一方で、近年ではCTやMRI、超音波内視鏡(EUS)などの画像診断が進歩し、小さな病変が見つかる機会も増えています。
健康診断で膵のう胞や膵管拡張を指摘された方、膵臓がんの家族歴がある方、糖尿病が急に悪化した方は、一度詳しい検査を受けることをおすすめします。
当院では、腹部エコーやCT検査を行い、必要に応じて専門医療機関と連携しながら診断・治療を進めています。
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当サイトについて(開業準備中)
本ページは、大分市に開業予定の消化器内科・内視鏡専門クリニックの開業準備サイト内の疾患解説ページです。現在は開業準備段階であり、診療は行っておりません。
※本ページは一般的な医療情報の提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療に代わるものではありません。腹痛や背部痛、黄疸、体重減少などの症状がある方や、健康診断で膵臓の異常を指摘された方は、早めに消化器内科へご相談ください。
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