胆のう炎

目次

胆のう炎とは

胆のう炎とは、胆汁を一時的にためる「胆のう」に炎症が起こる病気です。

多くは胆石が胆のうの出口に詰まり、胆汁の流れが悪くなることで発症します。

突然強い症状が現れるものを「急性胆のう炎」といい、右上腹部やみぞおちの痛み、発熱、吐き気などがみられます。

炎症が強くなると、胆のうの壊死や穿孔、膿瘍などを起こすことがあり、早期の診断と治療が必要です。

一方、胆石による炎症を繰り返すことで胆のうの壁が厚くなり、硬くなることがあります。このような状態は「慢性胆のう炎」と呼ばれます。

主な症状

胆のう炎では、次のような症状がみられます。

  • 右上腹部の痛み
  • みぞおちの痛み
  • 右肩や背中に広がる痛み
  • 発熱
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲低下
  • お腹の張り
  • 右上腹部を押したときの痛み

脂っこい食事をした後に症状が出ることもあります。

胆石発作では数時間以内に痛みが落ち着くことがありますが、胆のう炎では痛みが長く続き、発熱や炎症反応を伴うことがあります。

胆管結石や胆管炎を合併すると、黄疸や褐色の尿、白っぽい便などがみられる場合があります。

胆のう炎の原因

急性胆のう炎の多くは、胆石が胆のうの出口である胆のう管に詰まることで発症します。

胆汁が胆のう内にたまり、胆のうの壁に炎症が起こります。炎症が進むと、細菌感染を伴うこともあります。

主な原因

  • 胆石
  • 胆のう内の胆泥
  • 胆のうの血流障害
  • 胆のうや胆管の腫瘍
  • 長期間の絶食
  • 重い感染症や大きな手術後
  • 全身状態の悪化

胆石を伴わずに発症する「無石性胆のう炎」もあります。

無石性胆のう炎は、重い病気の治療中や手術後など、全身状態が悪い方に起こることがあり、重症化しやすいため注意が必要です。

胆石発作と胆のう炎の違い

胆石発作は、胆石が胆のうの出口に一時的に詰まることで起こる腹痛です。

胆石の詰まりが解除されると、痛みが改善することがあります。

一方、胆のう炎では胆石の詰まりが続き、胆のうの壁に炎症が起こっています。

次のような症状がある場合は、単なる胆石発作ではなく胆のう炎の可能性があります。

  • 腹痛が長時間続く
  • 発熱がある
  • 右上腹部を押すと強く痛む
  • 血液検査で炎症反応が上昇している
  • 腹部エコーやCTで胆のうの腫れがある

放置するとどうなる?

胆のう炎を放置すると、炎症が進行し、次のような合併症を起こすことがあります。

  • 胆のうの壊死
  • 胆のう穿孔
  • 胆のう周囲膿瘍
  • 腹膜炎
  • 敗血症
  • 胆管炎
  • 急性膵炎

胆のうに穴が開くと、胆汁や膿がお腹の中に漏れ、腹膜炎を起こすことがあります。

高齢の方や糖尿病のある方、免疫機能が低下している方では、症状が目立たないまま重症化することもあります。

右上腹部やみぞおちの強い痛みが続く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

胆のう炎の検査

血液検査

血液検査では、主に次の項目を確認します。

  • 白血球数
  • CRPなどの炎症反応
  • 肝機能
  • 胆道系酵素
  • ビリルビン
  • 腎機能
  • 膵酵素

胆管結石や胆管炎を合併している場合には、肝機能や胆道系酵素、ビリルビンが上昇することがあります。

腹部超音波検査(腹部エコー)

腹部エコーは、胆のう炎の診断に重要な検査です。

主に次のような点を確認します。

  • 胆石の有無
  • 胆泥の有無
  • 胆のうの腫れ
  • 胆のう壁の厚さ
  • 胆のう周囲の液体貯留
  • 胆管の拡張

腹部エコーは、胆石を確認するのに適した検査です。

CT検査

CT検査では、胆のうの炎症や周囲への広がり、合併症の有無を確認します。

主に次のような点を評価します。

  • 胆のうの腫れ
  • 胆のう壁の肥厚
  • 胆のう周囲の炎症
  • 膿瘍
  • 胆のうの壊死や穿孔
  • 胆管の拡張
  • 他の腹痛の原因

胆石の種類によっては、CTで分かりにくいことがあります。そのため、腹部エコーとCTを組み合わせて評価することがあります。

MRI検査(MRCP)

胆管結石や胆管の異常が疑われる場合には、MRIを用いたMRCPを行うことがあります。

胆のうだけでなく、胆管や膵管の状態を詳しく調べることができます。

胆のう炎の重症度

急性胆のう炎では、炎症の程度や全身状態を確認し、軽症・中等症・重症に分けて治療方針を決めます。

重症例では、次のような臓器障害を伴うことがあります。

  • 血圧低下
  • 呼吸不全
  • 腎機能障害
  • 意識障害
  • 血液凝固異常
  • 血小板減少

重症度だけでなく、年齢、持病、手術に耐えられるかどうかなどを総合的に判断して治療を行います。

胆のう炎の治療

急性胆のう炎は、入院治療が必要となることが多い病気です。

病状や重症度に応じて、点滴、抗菌薬、手術などを組み合わせて治療します。

点滴・食事調整

炎症が強い時期には、食事を控えて胆のうを安静にし、点滴を行います。

痛みや炎症が改善した後、状態を確認しながら食事を再開します。

痛み止め

腹痛を和らげるために、鎮痛薬を使用します。

痛みが強い場合でも我慢せず、適切に痛みを抑えることが大切です。

抗菌薬

細菌感染が疑われる場合や炎症が強い場合には、抗菌薬を使用します。

患者さんの重症度や腎機能、感染の状況などを考慮して薬を選択します。

胆のう摘出術

胆石を伴う急性胆のう炎では、腹腔鏡下胆のう摘出術が標準的な治療です。

お腹に小さな穴を開け、腹腔鏡を使って胆のうを摘出します。

手術が可能な状態であれば、病状を評価したうえで、できるだけ早い時期に手術を検討します。

胆のうを摘出することで、胆のう炎の再発を防ぐことができます。

胆のうドレナージ

全身状態や持病などのため、すぐに手術を行うことが難しい場合には、胆のうにたまった胆汁や膿を外へ出す「胆のうドレナージ」を行うことがあります。

炎症を落ち着かせた後に、胆のう摘出術を検討する場合もあります。

胆管結石や胆管炎を伴う場合

胆管内に結石があり、胆管炎や黄疸を伴っている場合には、ERCPによる内視鏡治療が必要になることがあります。

内視鏡を十二指腸まで進め、胆管の出口から結石を取り除いたり、胆汁の流れを改善したりします。

胆のうを摘出しても大丈夫ですか?

胆のうは胆汁を一時的にためておく臓器ですが、胆汁そのものは肝臓で作られています。

胆のうを摘出した後も、胆汁は肝臓から腸へ流れるため、多くの方は通常どおり生活できます。

手術後しばらくは、脂っこい食事で下痢や腹部不快感が出ることがありますが、時間とともに改善することが多くあります。

再発予防について

胆石を残したままの場合、胆石発作や胆のう炎を繰り返すことがあります。

一度胆のう炎を起こした方は、病状が落ち着いた後も、胆のう摘出術を行うかどうか医師と相談することが大切です。

日常生活では、次のことを心掛けましょう。

  • 暴飲暴食を避ける
  • 脂肪分の多い食事を取り過ぎない
  • 急激なダイエットを避ける
  • 適正体重を維持する
  • 糖尿病や脂質異常症を適切に治療する
  • 指示された検査や治療を受ける

食生活だけで胆石をなくしたり、胆のう炎を完全に予防したりすることはできません。

受診の目安

次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。

  • 右上腹部が痛む
  • みぞおちの痛みが続く
  • 食後に強い腹痛が起こる
  • 発熱を伴う腹痛がある
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 胆石を指摘されており、腹痛が出た

次のような場合は、救急受診が必要です。

  • 強い腹痛が続く
  • 高熱や悪寒がある
  • 黄疸がある
  • 意識がもうろうとする
  • 冷や汗が出る
  • 血圧が低い
  • 水分を取れない
  • お腹全体が硬く、強く痛む

よくある質問(FAQ)

胆のう炎は自然に治りますか?

一時的に症状が軽くなることはありますが、胆のうに炎症が起きている場合は医療機関での治療が必要です。

放置すると壊死や穿孔、敗血症などを起こすことがあるため、自己判断で様子を見ないことが大切です。

胆のう炎は必ず手術が必要ですか?

患者さんの重症度や年齢、持病、全身状態などによって異なります。

胆石を伴う胆のう炎では、再発を防ぐために胆のう摘出術を検討することが一般的です。

すぐに手術が難しい場合は、点滴や抗菌薬、胆のうドレナージなどで炎症を落ち着かせることがあります。

胆石があれば必ず胆のう炎になりますか?

いいえ。

胆石があっても、症状がないまま経過する方は少なくありません。

ただし、胆石が胆のうの出口に詰まると、胆石発作や胆のう炎を起こすことがあります。

胆のう炎と胆管炎は違いますか?

胆のう炎は、胆汁をためる胆のうに炎症が起こる病気です。

胆管炎は、胆汁の通り道である胆管に結石などが詰まり、感染を起こす病気です。

胆管炎は黄疸や高熱を伴い、重症化すると命に関わることがあるため、緊急の内視鏡治療が必要になる場合があります。

胆のう炎は腹部エコーで分かりますか?

腹部エコーは、胆石や胆のうの腫れ、胆のう壁の肥厚などを確認できる重要な検査です。

必要に応じて、血液検査やCT検査などを組み合わせて診断します。

胆のうを摘出すると食事制限が必要ですか?

手術直後は脂肪分の多い食事を控えることがありますが、多くの方は時間が経つと通常の食事に戻ることができます。

症状には個人差があるため、手術後は医師の指示に従ってください。

胆のう炎は再発しますか?

胆のうを残している場合は、胆石発作や胆のう炎を再発することがあります。

再発予防のため、炎症が落ち着いた後に胆のう摘出術を検討することがあります。

消化器専門医からひとこと

胆のう炎は、胆石を持つ方に起こることが多い病気です。

軽い胆石発作と思っていても、痛みが長く続く、発熱を伴う、右上腹部を押すと強く痛む場合には、胆のう炎を起こしている可能性があります。

胆のう炎は適切な治療で改善が期待できますが、放置すると胆のうの壊死や穿孔、敗血症などを起こし、命に関わることがあります。

診断には血液検査、腹部エコー、CT検査などが役立ちます。

右上腹部やみぞおちの強い痛み、発熱、吐き気などがある場合は、我慢せず早めに医療機関を受診してください。

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当サイトについて(開業準備中)

本ページは、大分市に開業予定の消化器内科・内視鏡専門クリニックの開業準備サイト内の疾患解説ページです。現在は開業準備段階であり、診療は行っておりません。

※本ページは一般的な医療情報の提供を目的としており、個々の症状に対する診断や治療に代わるものではありません。右上腹部やみぞおちの強い痛み、発熱、黄疸、嘔吐などがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

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